飯塚事件 えん罪と死刑

2009年07月10日

 足利事件では、精度の低いDNA鑑定(MCT118型鑑定)により有罪(無期懲役)とされていた菅家利和氏に対し、精度の高いDNA鑑定によって再審開始決定がなされたわけですが、足利事件と同様の精度の低いDNA鑑定(MCT118型鑑定)により有罪(死刑)とされた久間三千年氏に対しては、再審請求の準備中であったにもかかわらず、昨年10月死刑が執行されてしまいました。えん罪の疑いの強い事件について、死刑の執行がなされたわけであり、真相が解明されなければなりません。久間氏の弁護人は、再審請求を申し立てるとのことです。

 日本では,4つの死刑事件(免田・財田川・松山・島田各事件)について再審無罪判決が確定しているわけですが、死刑事件にも誤判のあることが明らかとなっていながら,このような誤判を生じるに至った制度上,運用上の問題点については抜本的な改善が図られてきませんでした。改善すべき点として、虚偽自白の強要を防ぐため取調べの全面的可視化や代用監獄の廃止が求められていますが、とりわけ死刑制度については,科学的に信頼性の高い方法での再鑑定を受ける権利を確立すること、死刑確定者と弁護人との秘密交通を確保すること、再審請求における国選弁護制度を創設すること、再審請求による死刑執行停止効を確立することなどが必要です。

 しかしそれでも人間の行う裁判ですから、誤判は避けられません。誤判の危険性は人間の行う裁判においては避けられないものであり、死刑制度が存在する限り、かけがえのない生命を誤って奪う危険性は常に存在しているのであって、死刑制度をやめるしか根本的な解決法はありません。足利事件、飯塚事件をきっかけにして、市民、マスコミ、宗教者、学者、政治家、弁護士(弁護士会)などが協力して大きな動きを作り出すべきときが来ていると思います。

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