2009年8月30日の衆議院総選挙の結果、民主党が政権党となりましたが、民主党の政策を述べたインデックス2009によれば、死刑については次のように述べています。
「終身刑」の検討を含む刑罰の見直し
死刑存廃の国民的議論を行うとともに、終身刑を検討、仮釈放制度の客観化・透明化をはかります。死刑制度については、死刑存置国が先進国中では日本と米国のみであり、EUの加盟条件に死刑廃止があがっているなどの国際的な動向にも注視しながら死刑の存廃問題だけでなく当面の執行停止や死刑の告知、執行方法などをも含めて国会内外で幅広く議論を継続していきます。
この民主党の政策は、私はとても歓迎すべきものだと思います。「死刑存廃の国民的議論」を行うとともに、「終身刑」の検討を含む刑罰の見直しについて、正面から議論すると書かれているからです。これまでは、日本政府(自民党)も法務省も、死刑の存廃について正面から議論することをしてきませんでした。
しかしここで注意しなければならないことは、「死刑存廃の国民的議論」を行うということは、単に「世論調査」をすればよいということを意味しないということです。
「森のおひさま教室」のQ10「日本では死刑を望む声は多いの?」を見ていただければと思うのですが、
http://www.morino-ohisama.jp/qa/qa10.html
まず、世論調査の前に死刑に関する情報を市民に十分提供しておくことが非常に重要だと思います。
・国際社会は既に死刑廃止の潮流にあること
・日本はすすんだ民主主義国家として死刑の廃止を求められていること
・実際の日本国内の死刑の執行は絞首刑であり残虐な刑罰であること
・日本では確定した死刑判決について4件も再審で無罪判決が出ていること
・日本では凶悪犯罪は増えていないこと
・犯罪被害者を支援する法制度が整いつつあること
など、正確な情報を提供しておく必要があります。
また世論調査の質問も、「無実の疑いのある人について死刑が執行されるおそれのある制度でも良いと思いますか」と質問すれば、 ほとんどの人が反対すると思います。また「終身刑を導入しても絶対に死刑にするべきだと思いますか」と質問すれば、未来永劫絶対死刑存置論者は比較的少ないと思います。
「死刑廃止が望ましい」という観点からの世論調査も、やろうと思えばできるはずです。
国連の規約人権委員会は、 日本の人権状況に関する第5回審査の総括所見(2008年10月30日付)において、次のように述べています。ここで「締約国」とは日本のことです。
「締約国は、世論調査の結果にかかわらず、死刑の廃止を前向きに検討し、必要に応じて、国民に対し死刑廃止が望ましいことを知らせるべきである。」
「世論調査の結果にかかわらず」、「国民に対し死刑廃止が望ましいことを知らせるべきである」というのです。
民主党がインデックス2009で述べた政策を是非実行して欲しいと思います。