平成26年度 死刑制度に関する世論調査の結果について

2015年01月25日

平成26年度 死刑制度に関する世論調査の結果について 

弁護士小川原優之

 世論調査の結果が公表されました。マスコミ報道では「死刑制度を容認80%初の減少 なお高水準」(朝日新聞)、「死刑制度:容認8割...終身刑導入で半減も」(毎日新聞)、などですが、私は、今後の死刑廃止を求める運動に活かすべき内容が多く含まれていると思います。

1 「死刑は廃止すべきである」(全体の9.7%)に「死刑もやむを得ない」(全体の80.3%)のうち「状況が変われば、将来的には、死刑を廃止してもよい」(40.5%。全体の80.3%×40.5%=全体の32.5%)を足すと全体の42.2%になります。
 他方、「将来も死刑を廃止しない」(57.5%)は全体の80.3%×57.5%=46.1%ですから、結局、

将来も死刑存置派は全体の46.1%

将来死刑廃止派(現在廃止派も含む)は全体の42.2%

ですから、その差は4%しかありません。
 日本も、「将来」は死刑廃止があり得ることを示すものであり、私は、この結果は極めて重要だと思います。

2 とくに20~29歳については、「将来も死刑を廃止しない」(46.2%)、「状況が代われば、将来的には、死刑を廃止してもよい」(53.8%)となり、廃止派の方が多くなっています。これは若い世代には「希望」をもてることを意味しています。

3 「死刑もやむを得ない」(全体の80.3%)は、仮釈放のない終身刑を導入することにより、「死刑を廃止する方がよい」(全体の37.7%)、「死刑を廃止しない方がよい」(全体の51.5%)と大きく分かれます。
「死刑もやむを得ない」と考えている80%の人に対し、仮釈放のない終身刑が「死刑廃止について考える」きっかけを提供していることは明らかだと思います。

 世論調査結果の概要は、下記の通りです。なお「更生保護」についても重要な調査結果が出ています。

世論調査結果 概要

1 「死刑制度に関して、このような意見がありますが、あなたはどちらの意見に賛成ですか。」(Q2)
死刑は廃止すべきである 9.7%
死刑もやむを得ない 80.3%
わからない・一概に言えない 9.9%

2 「死刑もやむを得ない」と答えた方に
「将来も死刑を廃止しない方がよいと思いますか、それとも、状況が変われば、将来的には、死刑を廃止してもよいと思いますか。」(SQb2)
将来も死刑を廃止しない 57.5%
状況が変われば、将来的には、死刑を廃止してもよい 40.5%
わからない 2.0%

3 「もし、仮釈放のない『終身刑』が新たに導入されるならば、死刑を廃止する方がよいと思いますか、それとも、終身刑が導入されても、死刑を廃止しない方がよいと思いますか。」(Q4)
死刑を廃止する方がよい 37.7%
死刑を廃止しない方がよい 51.5%
わからない・一概にいえない 10.8%

4 「『更生保護』とは、犯罪をした人に対し、地域の中で適切な指導や援助を行うことにより、その立ち直りを支援し、再犯を防止する活動です。」「更生保護は、あなたが生活する地域の安全・安心につながる活動だと思いますか。この中から1つだけお答えください。」(Q5)
そう思う 29.9%
どちらかといえばそう思う 38.4%
どちらかといえばそう思わない 14.3%
そう思わない 7.5%
わからない 9.8%

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