本当に日本には死刑は必要なの?

死刑執行停止一周年 NGO共同声明への賛同のお願い

りす

昨年7月28日、大阪置所において2名、東京拘置所において1名、合計3名の死刑確定者に対して死刑が執行されましたが、その後、民主党政権となり、千葉景子法務大臣が死刑の執行を行わないことから、日本でも死刑の執行が停止してようやく1年になります。
 

しかしご承知のとおり、参議院選挙の結果、千葉法務大臣は落選しましたし、昨年の衆議院選挙の際の民主党の政策集であるインデックス2009には、「死刑制度については、死刑存置国が先進国中では日本と米国のみであり、EUの加盟条件に死刑廃止があがっているなどの国際的な動向にも注視しながら死刑の存廃問題だけでなく当面の執行停止や死刑の告知、執行方法などをも含めて国会内外で幅広く議論を継続していきます。」と記載されていたのですが、今回の参議院選挙の際には、このようなインデックスは発表されませんでした。
 

いつ死刑の執行が再開されてもおかしくない状況だと思います。 
 そのようななかで、アムネスティから死刑執行停止を求める共同声明の賛同呼びかけがありました。私(小川原)も是非、賛同人に加わりたいと思いますし、皆さんもご賛同くださるようお願いいたします。 

賛同呼びかけ団体: 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90 「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク 「死刑に異議あり!」キャンペーン 社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 NPO法人監獄人権センター
◇日本では今、冤罪事件が相次ぎ、死刑制度を含めた刑事司法制度の見直しが強く求められています。今月28日で死刑の執行停止1年となるのを機に、私たちは、日本政府に対し、正式に死刑の執行停止を宣言し、死刑に関する情報を公開し、死刑廃止に向けた公的な議論を進めるよう求める共同声明をまとめ、政府に提出することにいたしました。

◇この共同声明に、多くの団体・個人に広く名前を連ねて頂き、最後の死刑執行から1年を迎える7月28日に正式に発表し、政府に提出いたします。
◆共同声明に賛同される団体および個人は、下記の賛同フォームをお使い下さい(非常に簡単なフォームです。1分以内で賛同手続きができます)。


※団体賛同用フォーム: http://bit.ly/b3va9p

※個人賛同用フォーム: http://bit.ly/94Tp3E


◆賛同締切: 2010年7月27日(火)まで
◆この共同声明にご賛同頂ける方は、ぜひこのメールをみなさんのご友人やお知り合いの方々にご転送下さい。またご関係のメーリングリストやそれぞれのTwitter、ブログ、ホームページ等でご紹介下さい。
◆この声明に関するお問い合わせは、「NGO共同声明」事務局までご連絡下さい。 

事務局の連絡先: shikei.haishi2010@gmail.com
<共同声明は以下の通りです>

————————————————————————-NGO共同声明:執行停止一年。日本政府は、今こそ死刑廃止に向けた公的な議論を————————————————————————-

2010年7月28日
 

昨年7月28日に行われたこの国での最後の死刑執行から一年が経過しました。私たちは、日本政府に対して、一年間にわたって死刑の執行が行われなかったことを歓迎すると共に、正式に死刑の執行停止に踏み切り、死刑に関する情報を公開し、死刑廃止に向けた公的な議論を進めるよう要請いたします。
 昨年9月に就任した千葉景子法務大臣は、死刑執行に慎重な姿勢を示すとともに、死刑制度に関する議論の場を作り、死刑に関する情報公開を進めていきたいとの意欲を繰り返し示しています。また、主たる政権党である民主党は、昨夏に発表した政策集INDEX2009において、「死刑存廃の国民的議論を行うとともに、終身刑を検討、仮釈放制度の客観化・透明化をはかります」と明記しています。
 近年、志布志事件や富山氷見事件、そして足利事件など、冤罪であったことが明らかになったケースが相次いでいます。これらの事件において、代用監獄や捜査取調べ中の自白強要など、日本の刑事司法が人権侵害と冤罪の温床になっていることが明確に示されています。
 そして、無実を叫びながら死刑を執行された福岡事件や菊池事件、飯塚事件、さらに冤罪を主張しながら獄中死させられた帝銀事件や三崎事件など、死後再審の請求がいくつも申し立てられています。しかし、再審を申し立てている事件はごく一部です。多くの冤罪の疑いのある死刑確定者が刑を執行され、あるいは現在も死刑確定者として拘置されている可能性があります。今こそ死刑の執行停止を宣言し、死刑制度を含む日本の刑事司法制度の抜本的見直しを行うことが必要なのです。
 2007年と2008年には2年連続して、国連総会において全世界に死刑執行の一時停止を求める決議が100カ国以上の賛成で採択されています。また、2008年10月には、国連自由権規約委員会が、「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべき」とし、世論を口実に死刑廃止に向けた措置を一切とろうとしない日本の態度を批判しています。
 私たちは、あらゆる死刑に例外なく反対します。死刑は、生きる権利の侵害であり、究極的な意味において残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰です。犯罪の背景には、多くの場合、貧困や社会的差別があります。死刑によって犯罪者を排除しても問題は解決できません。
 昨年、全世界で死刑を執行した国は18カ国でした。死刑を行う国は減少を続けており、世界の7割の国ぐにが死刑を廃止しています。世界は、犯罪に対して、死刑を用いるのではなく、行刑制度の見直しや犯罪被害者支援、そして貧困や差別問題に取り組む社会政策によって対応しようとしているのです。
私たちは、日本政府に対し、死刑廃止の実現に向けて下記の点を要請いたします。
・死刑廃止に向けた一歩として、死刑の執行停止を公式に宣言すること。・死刑制度そのもののあり方について、きちんとした情報公開を行うこと。 例えば、死刑確定者がどのような処遇に置かれているのか、どのように処刑が 行われるのか、などについて情報を公開すること。・死刑確定者への接見交通権を広く認めること。・死刑廃止に向けた議論の場を設置する取組みと並行して、行刑制度の抜本的見直 しや犯罪被害者支援の充実強化など、関連する諸制度の包括的な検討を行う議論 の場を設置すること。当事者、弁護士、NGO、宗教者などの関係者をその議論の 場に加えること。
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天野 理 <amano@amnesty.or.jp>

活動部・死刑廃止担当

社団法人アムネスティ・インターナショナル日本

101-0054 東京都千代田区神田錦町2-2 共同ビル(新錦町)4F

TEL. 03-3518-6777  FAX. 03-3518-6778

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