本当に日本には死刑は必要なの?

日弁連及び各地の弁護士会の死刑執行に対する抗議声明

りす
8月3日に続き、9月27日にも死刑の執行が強行されましたが、死刑執行に対し、日本弁護士連合会だけでなく、各地の弁護士会も抗議声明を出しています。
 
8月3日の死刑執行に対しては、
・ 東京 8月6日
・ 第二東京 8月3日
・ 横浜 8月8日
・ 埼玉 8月9日
・ 大阪 8月6日
・ 京都 8月9日
・ 愛知県 8月6日
・ 広島 8月3日
・ 岡山 8月8日
・ 福岡県 8月3日
・ 宮崎県 8月10日
・ 仙台 8月10日
・ 福島県 8月7日
・ 札幌 8月3日
 
9月27日の執行に対しては、
・ 東京 9月28日
・ 第二東京 9月27日
・ 大阪 9月27日
・ 愛知県 9月27日
・ 広島 9月27日
・ 福岡県 9月27日
・ 宮崎県 9月28日
・ 札幌 9月28日
が抗議声明を出しています。
 
 日弁連は、死刑のない社会が望ましいことを見据えて、死刑廃止について全社会的議論を呼びかける方針(第54回日弁連人権大会宣言)であり、今回の執行に対しては、下記の会長声明を出しました。
 
死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明
 
本日、福岡、仙台の各拘置所において、それぞれ1名に対する死刑の執行が行われた。本年8月3日の2名に対する執行に続き2か月続けての執行の強行は、極めて遺憾な事態であり、当連合会は改めて死刑執行に強く抗議する。
 
当連合会は、本年6月18日、滝実法務大臣に対し、「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し、死刑の執行を停止するとともに、死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を直ちに講じることを求める要請書」を提出して、国に対し、直ちに死刑の廃止について全社会的な議論を開始し、その議論の間、死刑の執行を停止することを改めて求めていた。この要請を無視しての2か月連続の死刑の執行は到底容認できない。
 
死刑の廃止は国際的な趨勢であり、日本政府は、国連関係機関からも繰り返し、死刑の執行を停止し、死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう勧告を受けてきた。しかし、本年3月、小川敏夫法務大臣(当時)は、「死刑制度の在り方についての勉強会」を終了させたのに続き、同月29日には、1年8か月ぶりとなる死刑の執行を3名に対して行った。そして、後任の滝法務大臣は「一つ一つの案件をどう判断するか考えて、職責を果たす。」との発言のもとに短い任期の間に4名の刑を執行したものである。
 
しかし、死刑をめぐる議論と切り離して死刑執行がなされるべきではなく、ましてや死刑に関する議論を明らかにしないまま執行すべきではない。政府は直ちに死刑の執行を停止した上で、死刑に関する情報を広く国民に公開し、国会に死刑問題調査会を設置し、法務省に有識者会議を設置する等の方策をとることによって広く国民的な議論を行うべきである。
 
よって、当連合会は、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、死刑制度の廃止について全社会的議論を直ちに開始することを求めるものである。
2012年(平成24年)9月27日
日本弁護士連合会
会長 山岸 憲司
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