死刑のあり方について検討するための法務省内勉強会について

2010年08月01日

 私(小川原)は、7月15日付けのブログに「いつ死刑の執行が再開されてもおかしくない状況だと思います。」と書いていたのですが、不幸にして的中し、7月28日、千葉法務大臣は2名に対し死刑の執行をしました。
 この暴挙に対し、日弁連は、同日、下記の会長声明を発表したのですが
そのなかに、「千葉法務大臣は、本日の記者会見において、自らが死刑執行に立ち会ったことを明らかにし、今後、東京拘置所の刑場を公開し、法務省に死刑制度の存廃を含めた死刑制度の在り方等についての勉強会を立ち上げる意向を示したという。この勉強会が真に開かれた場での国民的議論が行われていく契機となることを期待する。当連合会は、上記勉強会の立ち上げに伴い、政府に対し、死刑制度の存廃を含む抜本的な検討及び見直しを行うまでの一定期間、死刑の執行を停止することを重ねて強く要請するものである。」と記載されています。
 この千葉法相の記者会見における発言とは、「今回の死刑の執行にあたりまして私は自らが命令した執行でありますので、きちっと見届けることも私の責任だと考え、本日の執行に立て合ってまいりました。死刑の執行は適切に行われ、私自身自らの目で確認させていただき、あらためて死刑について深く考えさせられるとともに死刑に関する根本的な議論が必要だと感じました。この死刑のあり方について検討するために法務省内に勉強会を立ち上げることにしました。私自身のもとに法務省内の関係部局等によって構成することとしますが、開かれた場で幅広く外部の様々な方々からご意見をお聞きしたい、議論に加わっていただきたいと思っております。この勉強会はあらかじめ結論を決めて行うものではありませんが、死刑制度の存廃を含めた死刑制度のあり方等を検討することと考えております。そして裁判員裁判によって刑事司法に対する関心、または自らが裁判で判断をされる責任を国民のみなさまも負うことになっているなかでこの勉強会の成果を公表し、死刑のあり方についてより広く国民的議論が行われる契機にしたいと考えております。」
との発言のことです。 

 実は、鳩山元法相も法務省内での勉強会を開いていました。この鳩山勉強会は、法務省内で非公開で数回?開催され、13回の執行につながったものでした。千葉勉強会もまた、法務省内で開催されるとされており、「開かれた場で幅広く外部の様々な方々からご意見をお聞きしたい」とはされているものの(実はその後の記者会見で、非公開とすると訂正したとの情報もあります)、私は、形式的に意見を聞くだけで、千葉大臣の退任する9月には終了し、後任の法務大臣が死刑の執行を行いやすくするためのものとなりかねないと危惧しています。今後、継続して死刑の執行が行われるおそれがあるのです。

 千葉勉強会が、「死刑制度の存廃を含めた死刑制度のあり方等を検討」し「死刑のあり方についてより広く国民的議論が行われる契機」になれば勿論良いのですが、少なくとも、千葉勉強会の間(ないしはそれを受けた検討の間)は、死刑の執行を停止させる必要があります。
 私は、千葉勉強会をどうすれば死刑執行停止の実現に少しでも意味のあるものにできるのかという観点から検討する必要があると思います。

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